セブ島はアートの文化が盛んだと何回かエキサイトセブでご紹介して来ましたが、映画もその一つです。
以前セブ島出身の長編映画の「My Paranormal Romance」がフィリピンでも話題になり、さらにセブ出身の監督や作品が注目されるようになりました。そんな中、セブで長編映画、「The Muses(ザ・ミューセス)」の撮影が現在行われており、なんでセブ島で撮影を行なっているのか、作品の意気込みなどを伺うことが出来たので、インタビューして来ましたよ!
この作品はフィリピンのテレビ局が主催する映画祭のもので、脚本審査で優勝した人には制作費が送られ、作品の制作に取り掛かります。
今年の入選者でセブ島出身の監督であるジャニス・ペレスさんはニューヨークで主に映像制作の活動をしているのですが、今回入選を受けたことで彼女の作品はセブで撮影することにしたそうです。
なぜセブを選んだのか?セブでの撮影や制作での苦労、作品への意気込みなどを聞いてきましたよ!
筆者:まず初めに自己紹介をお願いします。
ジャニスさん:
私の名前はジャニス・ペレス(Janice Perez)です。
元々セブ生まれで、9年ほどニューヨークに居ました。そして今回は長編映画を制作するためにセブへやって来ました。
筆者: この映画はどういった理由で制作されているのですか?
ジャニスさん:
大らかに言うと、音楽と家族、そして夢を追うことで実現させるというテーマにした映画で、元々私と主演の一人である、キッチーナダル(Kitchie Nadal)が3年ほど前に「こういう映画を作りたいよね!」と話していた作品でした。テレビ局が主催する映画祭に応募した結果、見事に入選した作品で、現在撮影中です。
まさか、このような形で夢を実現できるとは思わなかったので、自分でもビックリでした。
筆者: この作品のストーリーはどのようなものなのでしょうか?
ジャニスさん:
姉妹が夢を追いながら歌手のスターを目指す、二人の冒険的なストーリーです。セブという環境や色んなトラブルが起こる中、お互いの信頼や絆など題材にした作品です。
筆者:何でセブで撮影しようと思ったのですか?
ジャニスさん:
まず一に、私がセブ出身だということです。セブに生まれ育った事に誇りを持っているからです。ニューヨーカーに「出身はどこか?」と聞いてアメリカと答えず、「ニューヨークから来た」とプライドを持ちながら答えるように、私も、フィリピン出身ではなく「セブ島というフィリピンにある小さな島から来た」と言っています。
セブがとても魅力的な所だと小さい頃から知っていた私にとって、「セブは素晴らしい所だ!」ということを更に多くの人たちに伝えたいと思い、セブ島での撮影を行ったのが大きな理由ですね。
筆者: 現在撮影中だと思いますが、どんな感じですか?
ジャニスさん:
まだ14日間の撮影ある中で10日目を完了した所ですが、とても挑戦的な日々が続いています。うまく言葉で表現できないほど不安や疲労などを毎日感じています。でもこのようなプレッシャーが嫌いというわけではなく、このプロダクションが全て崩れない様に解決方法を探さなきゃいけないというのも、私の中では一つの楽しみです。
色んな混乱がありましたが、出来上がったショットを見る限りは素晴らしい出来になっているので、少しずつ良い感じの方向に向かってきたのだと思います。
撮影チームの素晴らしいバックアップなどもあり、彼らなしではこの作品は出来上がら無いだろうと思うほど、非常に多くの人たちがこの作品に参加していることに感謝しています。
筆者:現段階で一番大変な思いをした事はなんでしたか?
ジャニスさん:
一番大変だったのは、撮影中に資金が底をついてしまったこと(笑)。資金が無くなるともちろん撮影もできなくなるので、クルーなどからは不安が出て来ました。でも監督である私は船長みたいなもの。プロジェクトという大きな船を良い方向に運転できる様にするのは非常に大変なことでした。
しかし、プレッシャーがあって良かったと思うこともあります。なぜならこの様な状況をチームの皆に説明した時、正直私は多くのクルーを失うのではないかと思っていました。
でも皆は違っていて、「絶対良い作品を作ろう!」と一致団結するようになったので、とても嬉しく思いました。
筆者: この作品に登場する役者さんはどんな方が居ますか?
ジャニスさん:
この作品に出てくる主演の姉妹役にはキッチーナダル(Kitchie Nadal)とジャネル・ジェイマー(Janelle Jamer)の二人が主演しています。キッチーはフィリピンでも有名な歌手、P-ポップスターで彼女とは私がニューヨークに居た時に出会いました。
ジャネルの場合はテレビのホストを行なっている、フィリピンでも知られているタレントの一人で、歌手としてはあまり活動はしていませんが、自身、シングルをリリースする程で才能がある人物だと私は思います。
キッチーとジャネルはマニラ出身ですが、この映画ではセブでの音楽を紹介するべく、セブ出身の有名バンド、フランコ(Franco)やブドイ(Budoy)などフィリピンでも有名な方々がこの作品に役者として参加しています。
筆者: セブで撮影するにあたって、良い事と悪い事はありますか?
ジャニスさん:
私は本当にセブで撮影するのが大好きなのです!
他の作品を制作してきたニューヨークに比べてみれば、セブで撮影するほうがロケーションのパーミットも用意する必要も少ないし、保険などや歩道を撮影するだけでもパーミットを用意する必要もなく、非常に簡単なのです。
ただ、セブではフレンドリーな性格や、この様な映画の撮影などを見かけることが少ないと思うので、ローカルの人達は撮影を見かけるたびに立ち止まったり、カメラの方を見てしまったり興味津々な部分が逆に苦手な部分があります。
昨日は歩道で撮影をしていたのですが、交通のコントロールが本当に大変でした。後ろのジプニーが立ち止まったり、歩いてくる人達がカメラを見てしまったりして、撮り直しをする必要があるなど、とにかく大変でしたね!
でも、それ以外は全て大丈夫でした。必要なものは全て簡単に揃うし、ロケーション同士の距離もあまり遠くないのでセブでの撮影はもちろん完璧とは言わないけど、満足しています。
筆者:いつ、この作品を公開する予定ですか?
ジャニスさん:
プレミア公開は6月26日-7月2日にマニラで行われる予定です。映画祭なのでいつ私の作品が公開されるかまだスケジュールが決まっていませんが、この映画祭の後はセブでも上映できるように準備も進めるつもりです。
筆者:この映画を見てみたいと思う方へメッセージをお願いします。
ジャニスさん:
この映画、「The Muses」はFacebookページでのアップデートを常時行なっています。その他ツイッターやインスタグラムなどでもアップデートを行なっているので、気になる方はチェックしてみてください!
撮影は今週の金曜日に終わるそうですが、これから編集などもあり、色々と大変になってきます。この作品に関わっている人達もジャニスさんが言うには100人以上も居て、非常に多くの人たちが関わっているそうです。
それなりに多くの問題などが出てくるものですが、うまく良い方向に動かしている、監督であるジャニスさんや撮影クルーの一致団結により素晴らしい作品が出来上がるのかもしれませんね!
次回作品が出来上がった時に役者で参加した人達にもインタビューを行う予定なので、この作品も含めて楽しみにしててくださいね!
(MIKIO)