2013年12月11日 更新

セブにおけるBOPビジネスを考えてみよう!

セブにはたくさんの「サリサリストア」という店があります。これはにほんでいうところのコンビニに当たりますが、多くの人々がサリサリストアを利用するのは物を小分けで買えるからです。日本のようにたくさんのスーパーマーケットがないセブでは、庶民の買い出しは食材以外は基本的にサリサリストアで行われます。ここではどんな売り方で庶民の財布に対応しているのか、BOPビジネスの観点から取材してみました。



世界の所得を非常に大まかに見ていくと、このような図式になります。

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この様子を見てみると、人口が一番多いのは低所得層・後発発展国(一部の発展途上国も含む)であることがわかります。

BOPビジネスとは「BASE OF PYRAMID」ビジネスの略称で、このような図のベース、つまりオレンジの層を対象にしたビジネスのことを指します。一部の計算によると、このオレンジの層に該当するのは世界の40億人ともされ、70億人の世界で考えると半分以上の人々がここに入る事にもなります。

以前はBOPを「BOTTOM OF  PYRAMID」と表現し、上記の図のボトム(最下層)として表現されていましたが、差別的な表現だとしてベースに改められたという経緯があります。

このビジネスの概念としては、最も大きなマーケットで、且つ今までマーケットとして認識されていなかった層でビジネスをすることを目的としています。いっぺんに大量に物を買うことが難しい人々に対して、同じ品質の商品を小分けにして販売するなどの手法で展開します。

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実際のサリサリストアの様子です。ぶら下がっているのは、化粧品やシャンプー等ですが、全て1回分で販売されています。2つの商品について考えてみましょう。

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この緑色の商品はシャンプーです。1回分で6ペソ(約15円)です。
仮にこれを30日間分購入した場合、
6×30=180ペソ(約400円弱)となります。

しかし、このシャンプーを12回分でスーパーでいっぺんに買った場合、
48ペソ(約105円)となります。
この値段で30日分を買った場合は
48÷12×30=120ペソ(約280円)となります。
ちなみにこの場合1回分は4ペソ(約10円)ですね。

このようにBOPビジネスは商材を小分けにすることによって、商材をBOP層の購買可能価格に下げる一方で、1つ当たりの値段を割高に設定することでより多くの利益を生み出すことを目的としているのです。


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この商品も同じくシャンプーで、ほとんど同じ値段の関係になっています。BOPビジネスはそのビジネスの性質上、商材は消費財がほとんどでシャンプー、石鹸、洗剤などの生活雑貨や、飴、ジュース、たばこなどの嗜好品、更には醤油、塩、味の素などの調味料もこれに該当します。

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たばこに関しては日本と比べて価格や買い方が多様です。
これもBOPビジネスの1つと言えます。

例えば日本では、たばこはどこで購入しても440円などの均一価格になっています。買い方も基本的には20本入りの箱買いです。またカートンと呼ばれる10箱入りのたばこを買った場合でも、その値段は1箱×10となり特に割引はありません。

一方セブでは5本入り、10本入り、20本入りの各箱が存在します。更にはサリサリストアの場合、1本から購入することも可能です。筆者が以前アフリカを旅行した際にも全く同じようなたばこの売られ方が見られました。

値段はサリサリストアで購入する場合は1本買いがメジャーなので、少なく買うほうが高くなるBOPビジネスの概念でいくとここが一番高いように思いますが、たばこの場合はモールやレストランで箱で購入するほうが高い場合があります。

ここが面白いところで、シャンプーなどの場合は必然性に駆られて値段が高い場合大量にいっぺんに買ってしまうことは殆どない一方で、たばこなどの嗜好品は値段が高くてもその人の考えによっては大量に購入することが考えられます。したがってBOPビジネスの概念はたばこの場合多くの場所で通用しますが、高所得層が集まる高級レストラン等ではその法則が崩れているケースもあるのです。

このようにセブでは様々なBOPビジネスが展開され、多くの人々がそのシステムの恩恵を受けて手軽に高品質の物にアクセスすることができるようになっています。もし私たちがセブで節約を心がけるとしたら、いっぺんに多く物を買うべきですが、日本で一般的に1週間分や一ヶ月分の洗剤を購入するのが普通である私たち日本人にとっては、意識しないと見えてこないカラクリであると思います。

これからも日常のちょっとした気づきを発信できればと思います!


(タク)

 
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Taku Taku