2015年9月5日 更新

セブの現地旅行会社で働くとどんな仕事をするの?

海外旅行が好きな方の中には、実際に海外の旅行を手配する旅行会社で働いてみたい!と一度は考えたこともあるのではないでしょうか。日本の中で海外の旅行を手配する旅行会社と、海外の現地でツアーなどを手配する旅行会社がありますが、今回は筆者が働いているセブ現地海外の旅行会社の仕事をご紹介したいと思います。



そもそも海外旅行というのはどうやって作られているのでしょうか。海外旅行の大きな要素として挙げられるのは航空券の手配とホテルの手配です。この2つを組み合わせた上で、更に現地のツアーなどが重なって1つの海外パッケージ旅行という商品が完成してきます。だれがどのように手配しているのか、その関係性について見てみましょう。

 

実は海外旅行の手配方法は旅行会社によって様々で、一辺倒に語れるわけではありません。まず、日本にある旅行業には第一種、第二種、第三種という3つの会社形態があります。3つに分かれていることにはもちろん意味があるわけですね。

第一種の旅行会社は海外旅行も国内旅行も、自分たちでパッケージを作って販売することができます。第二種は海外旅行は自分たちでプランを作ってお客さんに提案することはできず、お客さんの希望に応じてツアーを作る形のみとなります。二種の場合国内旅行は自分たちでプランを作って販売することができます。

また第三種は別名「地域限定旅行社」と呼ばれることがあります。その名前の由来として、海外旅行のパッケージ作成と販売が不可である上、基本的に日本国内の旅行であってもパッケージを自分たちで作ることができません。ただし、国内旅行で会社の所在地がある市町村と、その隣り合った市町村(都道府県をまたいでも可・橋やトンネルでつながっている場合も可)の場合はパッケージを作って提案することができます。

ただし第三種の旅行会社って何もできないではないか!と思うのはちょっと時期尚早。ここまで説明してきた「自分たちでパッケージを作って販売する」ことを「募集型企画旅行」と呼ぶのに対して、お客さんが「こんなところに行ってみたいんだけど手配できますか?」とお客さんの希望をベースとして毎回旅行を作ることは「受注型企画旅行」と呼ばれています。そして受注型企画旅行の形であれば第三種の旅行会社でも海外旅行が手配できます。

 

少し難しそうな仕組みについて紹介しましたが、砕けた言い方をすれば「募集型企画旅行」は旅行会社のパッケージツアーのように既に旅程が決まっているツアーに乗っかる形の旅行、「受注型企画旅行」は修学旅行や企業の社員旅行、海外ウエディングなど、パッケージではなく1つ1つ毎回作り上げる旅行、といったところです。海外現地の旅行会社はこういった様々な形態の旅行会社から、様々な方法で依頼を受けてお客さんの現地滞在をサポートしているのです。

 

海外現地旅行会社の仕事1 ホテル手配


 

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海外現地旅行会社の仕事として、恐らく世界中の会社で共通しているのは現地のホテル手配です。会社に直接予約をもらった場合にホテルを予約するだけではなく、実は第一種の旅行会社のパッケージツアーのホテルの部分は提携している現地の旅行会社が空き状況の確認や手配を行っています。

つまりチラシや町中で見る「セブ島4日間99,800円〜」などのパッケージは色々な人の力で作られており、販売とパッケージの大枠の作成を日本の旅行会社が、場合によっては航空券はその旅行会社でない他の会社から買い付けて取得し、ホテルは現地の旅行会社が抑えて、1つのツアーが完成します。

日本でお客さんが「セブ島旅行に行きたい!」「このプランで行きたいけど空きはある?」のような形で日本の旅行会社に依頼をすると、そこから現地に連絡が入り、「このホテルの予約をお願いします」と依頼をもらいます。現地では日本からの依頼に合わせてホテルを手配し、「予約しましたよ!そのパッケージを販売してもOKです!」と連絡を折り返す事になります。これが募集型企画旅行の作られ方。一方で「セブに行ってみたくてこんな予算なんだけど、色々自分たちにあったプランを提案して欲しい」というのは受注型企画旅行。こうなると日本から現地には「8万円で2名・3泊4日でビーチがきれいなホテルを希望されいているんですが、いいところありますかね?」といった形で連絡が入り、現地の旅行会社は予算と空き状況に合わせて現状最適と思われるホテルを日本に連絡し、日本の旅行会社がそれに従ってお客さんと旅程を作っていく事になります。

 

 

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ホテルの予約は特に今のお盆シーズンやゴールデンウィーク、シルバーウィーク、年末年始を中心にお客さんの希望が通らないこともしばしばあり、そんな中でも現状最もお客さんの希望にあったホテルを上手く手配できるかどうかが腕の見せどころになります。

筆者を含め現地ではしばしばホテルのセールスマネージャーに交渉をしたり、ホテルの予約課(リザベーション)とミーティングを行いながら良好な関係を構築しながら、日本の旅行会社の依頼により速やかに、かつ希望を満たす形の満足のいく提案ができるように日々取り組まれているものなのです。

 

海外現地旅行会社の仕事2 現地ツアー手配


 

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パッケージツアーの旅程の中でよく見られるのは「2日目;自由行動 現地のオプショナルツアー等でお楽しみ下さい」のような表記です。この「現地のオプショナルツアー」を手配するのも海外現地旅行会社の大きな仕事の1つになります。セブ島であればアイランドピクニック(アイランドホッピング)やセブ市内観光、ジンベイザメと泳ぐツアー、伝統的なスパなど、多種多様なオプションを揃えて現地でのお客さんの期待や希望に応えていきます。

お客さん側から見るとツアーの予約方法は大きく2つに分かれています。1つは日本でパッケージツアーを購入する際や受注型企画旅行を依頼する際に、先に現地ツアーも予約してしまう方法。もう1つは現地に到着してから、現地の旅行会社に直接申し込む方法です。

日本で先にオプショナルツアーも申し込む方のほとんどは、旅行の目的が明確に決まっています。例えば「セブでは必ずジンベイザメと泳ぐ。それ以外は適当に現地で決めよう」といった希望の方は、多くの場合到着日の次の日にジンベイザメのオプショナルツアーを事前に予約しておきます。予約をすると日本の旅行会社から現地の旅行会社へ「このお客さんは◯月☓日〜の3泊4日ですが、2日目にジンベイザメのツアーを予約しておいて下さい」と連絡が入ります。こうなるとお客さんは通常のパッケージにジンベイザメのツアーが追加された料金を日本で全て支払って、現地では参加するだけの状態でOKとなります。事前予約の長所は予約しておけば間違いなく希望の場所に行くことができること、短所としては現地に来て気分が変わったりしてもキャンセル料金などの関係で簡単に自由行動の日程を変更できなくなる可能性があることです。

 

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対してパッケージツアーだけを購入してとりあえずセブに来て、現地に到着してからオプショナルツアーを予約する方も大勢います。海外旅行を旅行会社に依頼した場合、日本を出発する前に日本の旅行会社から「現地連絡先・担当者電話番号」などが記載された旅程表がお客さんの手元に届いています。現地のホテルなどに到着した後、明日はどうしようか?と日程を決め始めて、その現地連絡先へオプショナルツアーの予約を入れる形です。この場合オプショナルツアー当日に支払いを行い、現地の旅行会社に直接依頼を入れることになります。最も大きな長所としては現地での日程を自分たち次第で決めることができること。ツアーは申し込まなくてもいいわけなので、自由行動の日を本当に自由に過ごしたって問題ありません。短所としては直前にオプショナルツアーに申し込もうとしても満員になってしまっている場合。特にピークシーズンではこのケースが見られるので、外せないオプショナルツアーが既にある場合には事前に予約するほうがいいかもしれません。

 

 

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最近セブ島では観光省の認可を受けない旅行会社が増えていて、しっかりとした認可を受けている会社のツアーをそのままコピーしたような形で料金を下げている傾向が見られます。東南アジアの旅行は割安・お得感が求められるため、お客さんは料金だけを見てツアーを申し込んでしまうことが多いようです。しかしながら観光省などの認可が下りていない旅行会社は、ガイドのレベルが低い・送迎車が古く危険・事故の際の保険に加入していない・安いため旅程が短く結局無駄な時間を過ごしてしまうなど、かなりの問題が発生しています。海外現地オプショナルツアーも残念ながら「安かろう悪かろう」の傾向がありますので、セブに関わらず海外のオプショナルツアーを申し込むときには「他の旅行会社と比べると随分安いけど、大丈夫なのかな?」と立ち止まって考えてみることも必要だと思います。

 

海外現地旅行会社の仕事3 特別な現地日程のアレンジ


 

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しばしば海外現地旅行会社にはパッケージツアーでない受注型企画旅行の提案依頼が入ることがあります。中でも特殊なものとして、日本・海外のTV局の撮影動向・アシスト依頼などもあります。セブは自然が美しいことで知られる観光地なので、海関連の撮影などの依頼が入ってくることがある他、現地映像制作会社の依頼などもあります。海外現地旅行会社の社員たちは現地に住んでいる、言わばその土地のプロ集団ですから、どんな依頼にも的確に答えることができますし、できないものはできないとしっかりと伝える判断もできます。

特に筆者の場合は映像制作・雑誌制作などの依頼に何度も関わってきたので、ロケハンや当日の撮影など完全に違う業界の世界を垣間見ることがありとてもよい経験をさせてもらっています。

 

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特別な依頼は基本的に受注型企画旅行になり、その中にはウエディング、修学旅行、社員研修旅行、国際会議手配、100名を超える団体手配、現地企業視察など多種多様な要望に答えていく仕事になります。通常のパッケージ旅行の手配と平行して個々の依頼に答えていくこういった手配も平行して毎日進めていくので、スケジュール管理や自分が今何をやっているのかを明確にしておかないと、1つの依頼が遅れてきたり、依頼内容に不備が出たりしてしまいます。

すべての依頼に的確に答えていくためには、現地の知識の引き出しを増やしておくことが非常に大切になります。毎回質問を受けて調べ作業をしていては時間がいくらあっても足りませんから、できるだけ質問や依頼にはその場で回答できるように現地に在住し、アンテナを広く張り巡らせて現地のプロとしての知識を増やすことが日々求められてきます。

 

海外現地旅行会社の仕事で大変なこと・・・
天候やトラブルに大きく影響を受ける生活


 

 

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海外現地旅行会社は時に、大きな問題に巻き込まれてしまうことがあります。それは天候不良や何かしらのトラブルにより、ツアーが中止になったり飛行機が欠航や大幅な遅延を起こしてしまう場合です。

現地の旅行会社はいくら頑張っても、日本から観光客の方々が訪れてくれなければ仕事になりません。こういった意味では毎日フライトの状況確認は欠かせない他、事前にリスクを認識するために天気図のチェックは必須。特にセブは台風の発生エリアに近いため、しばしば台風の風・雨の影響やそれに伴う高波の影響を受けてオプショナルツアーの催行ができないことがあります。

イレギュラーになるこれらの対応についても、できるだけ明確にお客さんに説明できるように知識と経験を積み重ねていくことが大切です。BtoCが基本になる旅行業では、最終的にお客さんの旅行をいかに充実した形で終えてもらうかが全てです。そんな中でツアーの中止や延期、行程の変更などがどうしても起こってしまった場合は、丁寧に説明をすることを心がけています。時にはお客さんが怒ってしまうこともありますが、その怒りの矛先が今自分たちに向いているだけであって、理由と状況を説明し、最善の案を提案できるようになることが現地で働く中で求められてきます。

 

 

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上の写真は実際にあった飛行機の遅延の状況です。筆者はこの便のお客さんを待つために、通常のセブ到着時間23時30分の前から、結果的には朝4時まで空港で便の到着を待っていました。この日は飛行機の機材にトラブルが生じてしまい、成田を発つ時間が大幅に遅れてしまったことが遅延の原因となっていました。筆者ももちろん疲れていますが、それ以上にイライラや疲れが溜まっているのはお客さんの方であり、到着してから仮に心ない言葉をかけられてしまっても、それで少し気が紛れるなら筆者が空港で待った意味もあるというものです。海外で働くということ、特に旅行業の場合、海外という異空間に日本人を受け入れる船頭になるという立場である以上、その自覚ある行動が全ての場面で求められていると感じています。

 

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海外で働くということはどこの国で、どんな業種であっても日本では得られない経験が満載です。言語、文化、宗教だけでなく、同じ業種の仕事でも一緒に働く人たちが外国人であればそれだけで仕事の進め方や考え方が違います。筆者の場合は目の前にある仕事をフィリピンの人たちとどうやって上手く進めていくかが全ての根幹にあり、現地を知ってその知識を仕事とする海外の現地旅行会社は海外就職・転職の中でも「海外で働く」ということを良く表現した職場だなと思います。

今回は海外の現地旅行会社の仕事についてかなり詳しく紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。海外の旅行会社で働いてみたい!と考えている方の参考になれば嬉しいです。

原文元(筆者執筆記事):実際に海外の現地旅行会社で働くとどんな仕事をするの? | W.W.J.world – http://wwj.world/

 

(Taku)

 
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Taku Taku