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[コラム]フィリピン、セブ島でイスラム国(ISIS)の影響はあるのだろうか?

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*こちらの記事は2015年5月のものです

現在シリア、イラク北部などでイラク・シリア・イスラム国(Islamic State of Iraq and Syria=ISIS)通称イスラム国が威力を拡大し、外国人や日本人ジャーナリストなどの殺害されたりするなどで知っている方も多いのでは無いのでしょうか?

世界最大のテロ集団とも言われているイスラム国(ISIS)が行うことは、とにかく過激で残酷的ということから世界各国からの非難を受けています。そして世界に点在する少数のイスラム過激派もイスラム国が行うことに賛同し、色んなエリアでその活動が飛び火するのではないのか?という懸念が出ています。

マレーシアやインドネシア、そしてフィリピンを含む東南アジアのイスラム過激派もイスラム国を支持しているとの報道がいくつかありますが、実際フィリピンやセブ島はどうなのでしょうか?今回は詳しく書いていこうと思います。



宗教戦争はお互いの主張が間違っていないので、なかなか解決できない国際問題になっています。お互いの信仰を尊重すれば良いのですが、一つの宗教でも色々な宗派があったり、国レベルで宗教に関わっているなので、そう簡単に解決できる問題ではありません。

イスラム教もその一つ。日本人からするとイスラム教はテロなどを行う過激な宗教だというイメージを持ってしまいますが、実際の所イスラム教はいたって真面目な宗教でムスリムの人達も平和を好む人達がほとんどです。

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悪いイメージが出来てしまったのは2011年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件を起こしたアルカイーダなどといったイスラム過激派による影響。彼らは伝統的なイスラムの理想とする国家や社会のあり方を政治的・社会的に実現させようとしており、イスラム主義を主張し暴力などを使って他の宗教などを排除させようとしているのです。

このような動きは過去からあり、中でもアルカイーダタリバーンなどが有力でした。今話題のイラク・シリア・イスラム国(Islamic State of Iraq and Syria=ISIS)通称、イスラム国は2000年に出てきた過激派で、サダム・フセインが率いる軍隊の残党らが集合したもの。

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2010年まで色々な活動を行っていましたが、2011年のシリア騒乱に乗っかる形で威力を拡大。そして2014年の6月29日にはIslamic State(イスラム国)として国家樹立を宣言しました。アメリカや日本などといった国はイスラム国を一つの国として承認していません。

イスラム国が世界的にも認識されるようになった理由はその過激な活動から。TwitterやYouTubeなどのソーシャルネットワークサービスを使いながら、残酷な処刑の様子を公開しています。

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昨年からアメリカ人ジャーナリストなど多くの外国人がイスラム国により殺害され、記憶に新しい日本人2人だけではなく、子どもや女性を含む一般市民が「イスラム主義ではない」を理由に7ヶ月のうちに1900人も殺害されているのです。

イスラム国の威力が拡大しているなか、世界各国で活動中のイスラム過激派はイスラム国が行う活動に賛同しており、飛び火する形で色々なエリアでも活動が活発化するのではないのか?という懸念が出ています。

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フィリピンを含む東南アジアでもイスラム国を支持する過激派が居ることも事実。この影響で「フィリピンやセブ島は大丈夫なのだろうか?」と思う方も居るのではないでしょうか?

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エキサイトセブのシヌログ祭りの歴史でも紹介してあったようにフィリピンはフェルディナンド・マゼランが率いるスペイン軍が1521年に上陸するまでイスラム系の国でした。

スペインは各島や土地を治める首長にイスラム教からカトリックであるキリスト教への改宗を勧め、少しずつ浸透してきましたが、マクタン島の長であったラプ=ラプはこれを拒否、マクタン島の戦いでマゼラン艦隊がこの戦いにより敗れました。

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しかし、スペインは植民地化を進めるため次々とメキシコから遠征隊を送り、約300年続くスペイン植民地時代に入ります。この影響でフィリピンの宗教はカトリックへと変わっていきました。植民地化が進む一方、スペインの思うように出来なかったエリアがあります。それがミンダナオ島です。

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ミンダナオ島のスールー諸島ではイスラム国家であるスールー王国マギンダナオ王国などがあり、カトリックの改宗を嫌がった原住民はミンダナオ島へ移ったのです。スールー王国はスペインの改宗に対抗していたのですが、1899年に起こった米比戦争によりスールー王国は解体したのでした。

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スールー王国は解体したものの、ミンダナオ島南部ではイスラム教の影響が今でも残っています。

ミンダナオ島は26の州からできていますが、そのうちバシラン州、ラナオ・デル・スル州、マギンダナオ州、スールー州、タウィタウィ州はミンダナオ島の中でもイスラム教が強い州で、イスラム教徒ミンダナオ自治地域(Autonomous Region in Muslim Mindanao=ARMM)があり独自の政府を持っています。

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多くのイスラム教徒がいる中で、イスラム過激派が活動をしているのもこの地域です。ミンダナオ島ではモロ・イスラム解放戦線アブ・サヤフなどといった過激派がサンボアンガやスール諸島などで活動を行っています。

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エキサイトセブでも以前、新生スールー王国によるマレーシアの不法上陸や2015年の1月末にはモロ・イスラム解放戦線とフィリピン警察の銃撃戦により40名の警察官が殉職する事件が起きています。

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この情報を聞くとフィリピン行きを検討してしまうと思いますが、先ほど説明したようにこのような過激派が活動を行っているロケーションはミンダナオ島南部がほとんどで、報道などで出てくる「フィリピンの過激派」はこちらを指しています。セブ島を含むビサヤ諸島やマニラがあるルソン島にはそのような影響はまずないと思ったほうが良いでしょう。

宗教の比率を見てみても、フィリピンは90%以上がカトリック教徒。そのうちイスラム教は5-8%になります。もちろん、セブ島にもイスラム教徒をモールなどで見かけることがありますが、先ほど書いてあるようにイスラム教やムスリム自体危険というわけでは無いのです。

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イスラム国による今回のニュースも出てきていますが、フィリピンやセブ島の人達はセブ島などに住むイスラム教徒を軽蔑することもなく、カトリックと共存しているため問題なく生活することが出来ます。

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外務省のウェブサイトで危険度を表示するマップがありますが、ミンダナオ島でなければ大丈夫だと思ったほうが良いでしょう。

ウェブサイトで表示されている危険というのはスリや強盗などの事だとは思いますが、フィリピンを含め海外は日本のように常に安全な国ではないので、それらに注意しておけば、フィリピンやセブ島を楽しめるはずです。

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3月からセブ島も暑い夏になってくるので、ビーチやリゾートなどに行きたいという方はベストシーズンです。ミンダナオ島の一部以外であれば比較的安全なので、安心して旅行や留学を行うことが出来ます。

アメリカ、イギリス、アラブ首長国連邦、ヨルダンなどといった有志連合軍が空爆作戦を行うなどしてイスラム国(ISIS)に対抗しています。まだに少し時間が掛かりそうですが、早いうちに解決できると良いですね!

 

(MIKIO)

Photos: Huffington Post/Associated Press, Tenminutes.ph,Wikipedia(ARMM),Asianews.it,BBC,CNN, polietileno


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ライターについて:

マクタン島にある映像専門学校を卒業後、セブ島が好きになりそのまま滞在。既に7年目になります。セブシティにあるDreamLine Productionsという制作会社でチーフクリエイティブ・オフィサーを本業としていますが、エキサイトセブではセブシティやローカルライフを中心とした記事を書いています。



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